駅家の平屋
土地探しから始まった今回の家づくり。20区画のうち、南側に山が見える唯一の区画だった。調整区域のため、今後近隣に住宅が建つことがなく、南側の山の景色はこの先ずっと見られるであろうと、この土地を提案した。あの山がずっと綺麗に見えるように、どう設計するか。それが今回の家づくりの一番のテーマであった。玄関からリビングへと広がるワイドな窓は、山の尾根を横長に、山々を一望できる。その窓とは対照的に、小さく絞ったDKの窓からは、山が切り取った絵のように見える。そこから差し込む光が、天井高を上げたDKの余白の中で混ざり合い、気持ちの良い空間が生まれる。造作ソファを設置したリビングの床は、玄関から続けてタイルを貼ることで、窓と同じく繋がりをもたせた。どの部屋にいても山の見え方を楽しめるよう、それぞれの窓の性格を読み取りながらつくった空間である。平屋ではあるが、ロフトを作り、そこを子どもたちが寝られる子ども部屋に。その下に、子どもたち二人の勉強部屋をつくり、同じ空間に共同して過ごせるようにした。開放的なリビングでありながら、余白と落ち着きのある空間をつくりたかった今回の建築は、山の姿を楽しめるこの土地だからこそ実現できた。光・風・山の尾根を感じながら、おおらかに、ゆとりを持った暮らしを味わっていただきたい。
竣工:2024年3月
所在地:広島県福山市
用途:住宅
延床面積:78.06㎡ / 23.61坪
階数:地上1階+ロフト